i-Construction推進コンソーシアム 20年度 新技術・デジタルデータの活用拡大

ICT出来形管理

 i-Construction推進コンソーシアムは第6回企画委員会を8月4日に開き、i-Construction推進について議論、各取り組みの進捗状況ならびに2020年度の主な取り組みを確認した。20年度は新技術・デジタルデータの活用を拡大する。取り組みの柱は主に4つで、▽ICT舗装修繕工の実施、構造物の施工管理やメンテナンスへの3Dデータの適用など、維持管理分野の取組への展開▽2023年度までに小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIM原則適用に向けた、現場、研究所、企業、大学との連携強化▽大容量データを本省、地整、研究所間などで活用するための通信環境整備▽人力施工をサポートするアシストスーツの導入検討や現場の人と機械の動きの分析を通じた作業支援などAI・IoTをはじめとした技術開発‥紙面へ


ICT施工「3Dデータを活用した構造物の出来形管理に関する要領」
今年度中の整備目指す

ICT建機保有状況

 

 まず、建設現場のさらなる効率化に向け、構造物の出来形管理等へICT施工を拡大するとともに、取得する3次元データを活用し、維持管理分野の効率化を図る取り組みでは、今年度中に3Dデータを活用した構造物の出来形管理に関する要領の整備を目指すことを確認した。
足もとのICT施工実施状況は、対象工種を年々拡大し、直轄工事のICT施工の実施件数、公告件数に対する割合(実施率)ともに増加しており、実施率は2016年が36%だったものが、17年度は42%、18年度は57%、19年度は79%まで上がっている。
直轄工事でこれまでにICT活用工事を経験した企業数は1450社で、2016度末の399社から約3・6倍に増加。1企業あたりのICT活用工事受注回数は、複数回経験した企業が2016年度末の107社から873社へと約8倍に増加しており、全体の約6割を占める。ただ、A等級とB等級の全国企業でICT施工の経験割合がそれぞれ93・5%、89・8%と高い一方で、地域を地盤とするC等級、D等級の企業ではそれぞれ50・9%、21・3%にとどまっているなど、中小企業への普及拡大が必要という。
また、ICT施工対応型建設機械の保有状況を関連企業36社へアンケート調査した結果では、バックホウ(0・28㎥以上)、ブルドーザ、ローラのICT化は一定の進展(約5100台)である一方、小型バックホウ(0・28㎥未満) は約300台と低く、今後、中小規模工事におけるICT施工の普及には、小型バックホウのICT化が重要と示し‥紙面へ


BIM/CIM 2023年度には小規模を除く全ての公共工事に適用へ
先行する鋼橋上部工 適用拡大の進め方示す

BIM/CIM 鋼橋上部適用拡大の進め方
BIM/CIMモデル事務所活用例

 BIM/CIMの活用状況としてはこれまで、2012年度から橋梁、ダムなどを対象に3次元設計(BIM/CIM)を導入後、CIM導入ガイドラインの整備などを進め、2018年度には大規模構造物詳細設計にBIM/CIMを原則適用、2019年度には詳細設計のBIM/CIM成果が存在する工事についても原則適用とするなど、推進してきた。加えて、2019年度に全国10カ所の河川国道事務所などをi-Constructionモデル事務所に指定し、BIM/CIM活用を加速していいる。
これに引き続き今後は、2023年度までの小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIMの原則適用に向けて、段階的に適用を拡大していく。特に従前から検討してきた「一般土木」「鋼橋上部」の進め方については、今後の予定を示した(表)ほか、他工種の進め方、詳細設計より前工程からの3次元データの利活用については、業界団体などとも協議のうえ‥紙面へ


i-Conデータ利活用へ
国土交通データプラットフォーム1・0公開
橋梁など諸元や点検結果など地図上に表示
ブロックチェーン活用で臨場検査の効率化も

国土交通データプラットフォーム
ブロックチェーンを活用した臨場検査の効率化など

i-Constructionの取組で得られる3次元データなどの利活用については、官民が保有する様々な技術やデジタルデータとの連携を可能にする国土交通データプラットフォームを構築し、新たな価値を創造する構想が示された。
既に国土交通データプラットフォームは1・0バージョンとして4月24日に一般公開が開始されており、橋梁などをはじめとするインフラ(施設)の諸元や点検結果に関するデータ、全国のボーリング結果などの地盤データの合計約22万件の国土に関するデータを地図上に表示し、検索、ダウンロードが可能であることが紹介されたほか、今後国が保有する工事成果品データをはじめとする各種データベースとの連携拡大やシステム改良を推進することが示された。
また、東京大学大学院のi-Con寄付講座と連携して取り組まれている、BIM/CIM技術やICT技術を活用したi-Conを実現するためのシステム開発研究の一例として、ブロックチェーンを活用した
サプライチェーンマネジメントシステムの開発を紹介。3つの主な開発目的、①臨場検査の効率化(ブロックチェーンを活用することで、施工情報の非改竄性を担保し、臨場検査を省力化)、②支払の自動化・円滑化(スマートコントラクトを活用することで、保存された検査結果(非改竄)に基づき支払を自動化)、③維持管理段階への施工情報の引継ぎ(施工時の品質・出来形情報を維持管理段階に引継ぎ、トレーサビリティを向上)が示されたほか、建設業におけるブロックチェーンの活用は世界初の試みであること、北首国道事務所での臨場検査の実証試験実施、甲府河川国道事務所での出来高査定・支払の実証試験実施などが紹介された。
さらに新型コロナウイルス感染症への対応として、インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を強力に推進していくことも示された。
これらに関連する情報提供として民間から参画する富士通が、社会インフラでのデータ活用を紹介、社会インフラ構造物の点検プロセスで得られたデータを集約してデジタルで管理・可視化・解析し、現場の生産性向上だけでなく、補修・保全計画まで最適化する取り組みが、鳥取県での社会実装トライアル(2019)‥紙面へ

富士通 社会インフラでのデータ活用
富士通 社会実装トライアル