「沖縄地区鋼橋防食マニュアルR1.8」沖縄総合事務局HPに掲載/ボルト接合部や支承の防食構造を改訂

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 沖縄総合開発局は3月に改定していた「沖縄地区鋼橋防食マニュアル」を11月22日にホームページにアップした。主な改定個所は①ボルト接合部の防食技術、②飛来塩分防護構造、③水洗技術、④桁端部の防食技術(支承の防食構造)など。
マニュアルは、有識者や道路管理者から構成される沖縄地区鋼橋塗装マニュアル検討委員会で、地域特性を踏まえた鋼橋塗装の技術的検討を重ね、平成10年3月に作成。その後、「鋼道路橋塗装・防食便覧」(平成17年12月)の改定を受け、平成20年8月に改訂してきた。今回の改定は、20年改定時に課題として挙げていた項目を、その後重ねた検討を踏まえおりこんだもの。
マニュアルによれば、沖縄地区は年間月平均気温が15℃以下にならず、湿度が年間を通して高く、他県と比較し鋼材にとって厳しい環境条件にある。加えて、台風の常襲地域で、海塩粒子の飛来量が多く、鋼材腐食が促進される地域でもあり、こうした亜熱帯島しょ地域は、鋼橋塗装の長寿命化対策が強く求めらるとしている。
ボルト接合部の防食技術では、県内橋梁の塗装劣化の特徴の一つがボルト接合部の早期腐食であることを踏まえ、高力ボルトの防せい防食について検討することを明確にした。
連結部の塗装系は、従来下塗り第1層の標準膜厚を600μとしていた。しかし、特にボルト・ナット部の角部の塗布が難しく、膜厚が不均一になりやすいことや(写真-1.1)、超厚膜によりわれが生じやすいなどの懸念があり(写真-1.2)、鋼道路橋防食便覧と同様に、下塗り第1層の標準膜厚を300μに変更した。
高力ボルト継手部は、連結板や一般部に比べて腐食が著しい部位である(写真-1.3)として、桁架設後、高力ボルト連結後の現場塗装時は、ボルトのナット部の膜厚確保、現場塗装時の付着塩分量除去(付着塩分量を50mg/㎡以下に規定)を徹底することが重要とした。高力ボルトを使用するに当たって、犠牲防食性能、環境遮断性能などの高耐食性の発揮が期待される防食について、十分検討することを規定している。
新設時および塗替え時の連結部高力ボルト部は、一般部に比べて早期腐食部位であるとし、主な要因は、塗装の施工が困難なことや、新設時にボルト部は防食下地がなく、重防食塗装となっていないこと、また、塗替え時においては、継手部は狭隘部があり、一般部に比べて素地調整が困難であることが挙げられる(写真-1.5)として、新設時や塗替え塗装時において、高力ボルトに犠牲防食効果を付与する事例を記載した。
維持管理上重要である腐食減厚した高力ボルトの残存軸力評価について技術資料として掲載した。
飛来塩分防護構造では、飛来塩分の付着や塩分を含んだ水の滞留しやすい構造は避け、暴露面積の少ない構造を検討することを明確にした。
鋼橋の防食は、塗装系による鋼材被覆を図るだけでなく、構造の改善が重要であるとして、多機能防食デッキを、鋼橋に飛来塩分を遮断し防食構造を付加するもの(写真-1.6)、同時に検査路および足場・落下防護機能ももつものと位置付け、規定するとともに、検査路の項目にも記載した。多機能防食デッキの要求性能、防食性能、経済性などは、巻末の資料に掲載した。
水洗技術では、維持管理での橋梁の水洗いの考え方や実施方法を明確化した。
桁端部の防食技術では、支承部が海塩粒子の滞留により腐食が著しいことを踏まえ、腐食耐久性がある材料の使用や防食構造を採用することを明確にした。
支承の防護として、非排水型伸縮装置や排水樋の設置などにより、漏水防止や適切な排水処理をするとともに、皮膜による防食を重要と位置づけ、腐食耐久性のある材料の使用や防食構造の採用を規定、最新の事例に基づき、溶融亜鉛アルミニウム合金めっきや紛体塗装の事例紹介を記載した。

巻末には参考資料として、▽沖縄地区鋼橋防食マニュアルの今後の課題▽▽多機能防食デッキの経済性▽継手部隙間の処理▽橋梁洗浄マニュアル(案)などを、技術報告として、▽土木鋼構造用塗膜剥離剤技術▽電磁誘導‥紙面に続く

沖縄防食2
沖縄防食3連結部の塗装系
沖縄防食4高力ボルト
沖縄防食5高力ボルト防食
沖縄防食6多機能防食デッキ
沖縄防食7支承