政府・成長戦略実行計画 インフラ維持管理の効率化さらに加速/橋梁点検にドローンやデータベースなど新技術活用 自治体に5年間補助

改訂された橋梁点検で、利用可能な点検支援技術カタログに掲載された新技術

 政府は5日に首相官邸で開いた未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で19年度版成長戦略実行計画案を提示した。橋梁などのインフラ施設の維持管理業務の高度化や効率化をさらに進める。地方自治体のインフラ点検業務などを支援するため5年間の地方財政措置を講じて、点検・補修データを一元管理する「ICT(情報通信技術)データベース」の普及拡大を図る。道路橋の点検に新技術を導入しやすい環境整備も進め、橋梁点検の現場へのドローンなどの新技術の実装を加速するため、新技術やデータベースを活用した自治体に、5年間限定の地方財政措置を講じる。
ICTデータベースはタブレット端末を活用し、点検や維持補修に関するさまざまなデータを記録・保存・管理するシステム。施設の位置の把握や探索にかかる時間を短縮するなどの効果が期待される。国交省は既にデータベースの構築などに関するマニュアルを整備しており、活用を推奨している。河川や砂防関係の施設などの点検業務にICTDBやドローンを導入する自治体を資金面で後押しするため、総務省は5年間(19~23年度)の財政措置を講じる。
さらに、有人地帯でのドローンの目視外飛行を可能にし、橋梁や建築物の広域的な点検に活用する。19年度中に制度設計の基本方針を決定し、22年度から有人地帯での飛行を認める。
5年に1度の点検が義務付けられている道路橋では、国交省が2月に、全面的な近接目視点検を基本としたまま、点検要領を見直し、19年度から点検員による近接目視を充実、補完、代替する新技術の活用を、点検技術者が近接目視と同様の効果が得られると判断した場合と、水中や土中、構造の内部など目視が困難な場所での作業において認めている。
同時に、こうした点検支援技術を道路管理者を導入しやすくするため、新技術を活用する際の「新技術利用のガイドライン(案)」と「点検支援技術 性能カタログ(案)」も整備。ガイドラインは点検業務を委託する際、特記仕様書に参考図書として加えてもらうことを想定。技術ごとの性能を記載したカタログは新技術の導入検討時の参考にしてもらうことを想定している。
「新技術利用のガイドライン(案)」は、点検支援技術を活用して定期点検をする際に、発注者と受注者双方が使用技術について確認するプロセスや、受注者から協議する「点検支援技術使用計画」を発注者が承諾する際の確認すべき留意点などを参考として示したもの。
「点検支援技術 性能カタログ(案)」は、これまでに国がNETISテーマ設定型などにより技術を公募し、国管理施設などの定期点検業務で仕様確認が行われた技術を対象に、国が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、開発者から提出されたものをカタログ形式でとりまとめたもの。今後の技術開発の進展に応じ、カタログに掲載した技術は適宜見直していく考えだ。
定期点検業務で点検支援技術の活用を検討する場合、カタログに掲載された技術を参考にすることが考えられるが、未掲載の技術も、標準項目の性能値を受注者に求め、目的に適合するかを確認すれば活用できる。
橋梁を対象とした点検支援新技術は、コンクリート橋のひび割れに対する近接技術が七つ、床版ひび割れに対する近接技術が七つ、うきに対する近接技術が四つ、近接以外が一つ。鋼橋に対しての掲載技術はない。
国交省は新技術導入に必要な申請手続きや技術選定方法などを説明する講習会も、都道府県単位で予定、進めているほか、中部地方整備局など、地方でメンテナンスサイクルを円滑に回していく狙いで、常設でメンテナンスセンターを設置し、自治体への技術的な相談・支援に・・紙面に続く