セメント系建設用3Dプリンター開発 大成、太平洋、アクティオら/製作・工事現場の合理化効率化期待

中空の大型柱製作状況

大成建設、太平洋セメント、アクティオ、有明工業高等専門学校は4者で建設用3次元(3D)プリンター「T-3DP」を開発した。セメント系材料をノズルから押し出しながら積層し、型枠を使わずに3Dデータからさまざまな形状の部材を自動製作する。3Dプリンターを使うことで、従来工法では実現困難だった複雑な構造の製作や、少量・多品種部材の効率的な製作、部材製作に使う型枠の省略、現場の工期短縮や安全性の向上、使用セメント量の減少などが期待されている。2025年をめどに3Dプリンターで製作したプレキャスト部材の実用化を目指すほか、30年には現場での装置活用を視野に入れている。
セメント系材料の3Dプリンターは製作中に積み上げた重さや歪みに耐えられず、崩壊を引き起こすことが大きな課題となっていたが、今回、①特殊なセメント系材料、②ノズル、③プリンタシステムの開発で、課題に対応した。
T-3DPは材料を投入するホッパーや材料圧送用の特殊ノズル、製作物のデータを読み込んで機械を自動制御するパソコンなどで構成。ノズルからセメント系材料を押し出し積層を繰り返すことで部材を製作する。最大で幅1・7m、長さ2・0m、高さ1・5mの部材製作が可能。
3Dプリンターで使用する特殊なセメント系材料は力が加わると柔らかく流動するため圧送しやすい一方、ノズルから吐出後は形状が崩れにくく短時間で固化する特性をもたせてあり、高く積み上げても下部に積層した部材がつぶれないため、大型部材の製作も可能にした。ノズルは吐出量を常に一定に保てるようにしたことで現場で一般的な脈動を伴うポンプとの組み合わせが可能になったほか、材料の垂れを防ぐ仕組みとなっており、ノズルを移動させて複数部材の同時製作にも対応でき‥紙面に続く