全国橋梁事業費動向 統計最新・2014-18
橋梁整備は微増傾向
橋梁補修は約3割の伸び

2020年度の北海道域、青森県域、岩手県域の橋梁長寿命化修繕計画関連業務
2020年度の北海道域、青森県域、岩手県域の橋梁長寿命化修繕計画関連業務

 国土交通省が毎年公表している道路統計年報の最新版・2020版が昨年12月に公表された。災害や雇用対策などを除くほとんどの事業をカバーしている道路・都市計画街路事業費から橋梁整備費と橋梁補修費を、最新データの2018年度からさかのぼって5カ年度分を抜粋集計すると、橋梁整備費が橋梁補修費を依然上回っているものの、橋梁整備費の伸びは微増にとどまる一方、橋梁補修費の伸びは3割弱となっており、この結果、橋梁整備費と橋梁補修費の差額は縮まっている。

◆市町村道の橋梁補修費は伸び大きく
橋梁整備費、橋梁補修費ともに、国道の橋が最大

 橋梁整備費については、一般都道府県道の橋梁整備費が微減傾向にあり、これを一般国道の橋梁整備の伸びがカバーしている。
 橋梁補修費については一般都道府県道の橋梁補修費は若干伸び縮みするもののほとんど変化はなく、一般国道の橋梁補修費と特に市町村道の橋梁補修費の伸びが大きい。
 橋梁整備費、橋梁補修費とも一般国道の橋梁費が桁違いに多い。ただ橋梁整備費と橋梁補修費では傾向に違いがみられる。
 橋梁整備費では、一般国道の橋梁整備費は一般都道府県道の橋梁整備費の7倍超、主要地方道の橋梁整備費の6倍、市町村道の橋梁整備費の5倍超と、他の区分より格段に多額となっている。
 一方橋梁補修費では、2014年度には一般国道の橋梁補修費は一般都道府県道の橋梁補修費の3倍弱、主要地方道の橋梁補修費の2倍弱、市町村道の橋梁補修費の1・5倍と、他の区分との開きが小さく、特に市町村道の橋梁補修費は伸び率が高いことから、2018年度には一般国道の橋梁補修費の76%に迫っ‥紙面へ

◆北海道域、青森県域、札幌市域 橋梁整備費より補修費が多く
岩手県域は整備費が補修費の2~3倍で推移 ほとんどが国道の橋梁費用

 
 国土交通省が毎年公表している道路統計年報から、最新版の事業費の統計である2018年度~2014年度の過去5年間の橋梁事業費を抜粋集計し、地域ごとの傾向をみる。初弾は北海道域、札幌市域、青森県域、岩手県域の4県域を取り上げる。
 北海道域、札幌市域、青森県域はいずれも橋梁修繕費が橋梁整備費を上回って推移している一方で、岩手県域は東日本大震災からの復興事業の影響で橋梁整備費が橋梁補修費の2倍から3倍超で推移している。岩手県域の橋梁整備費の傾向としては、一般国道の橋梁整備費が8割から9割を占め、金額も他県域よりも際立って多い。全国でみても事業費が桁違いに多い北海道域を除き、青森県域、札幌市域、岩手県域とも一般都道府県道の橋梁整備費、市町村道の橋梁整備費、主要地方道の橋梁整備費はだいたい同じような金額の水準で推移していることから、岩手県域の橋梁整備費の膨らみ分は一般国道の橋梁整備費の膨らみ分といえる。
 北海道域と青森県域、岩手県域では、橋梁整備費においては一般国道の橋梁整備費が最も多く、一方札幌市域は市町村道の橋梁整備費がほとんどを占める。橋梁補修費においても‥紙面へ
 
◆2020年度の発注動向
修繕関連多く

 北海道域、札幌市域、青森県域、岩手県域の2020年度の発注動向としては、案件当たりの金額では橋梁整備が目を引くものの、件数では業務、工事とも補修関連が目立つ。
 各県域で、高額の設計案件や、2020年2月以降に工期を残す高額な工事は表のとおり。
 特に橋梁長寿命化修繕計画関連は30件超あり、計画自体の策定もいくつかみられる。

◆北海道 長大橋の設計進む
上部 地元企業の受注目立つ
下部 妹背牛橋や中島橋の架替え、雪裡橋関連など
補修 開発局は耐震目立つ

 北海道域では5000万円以上の設計業務は北海道開発局小樽開発建設部の国道5号関連や、北海道の札幌建設管理部に多い。ほとんどが長大橋整備の設計だが、高架橋や跨線橋の耐震補強もある。
 落札者は開発工営社、ドーコン、パシフィックコンサルタントが多くを占め、他に開発調査研究所、北部コンサルタント、構研エンジニアリングもみえる。
 4000万円以上の橋梁点検業務発注案件はすべて北海道開発局が占め、設計と逆に開発工営社、ドーコンを抑え、構研エンジニアリングが多い、他に北未来技研、中央コンサルタンツもみえる。
 2月以降に工期を迎える2億円以上の工事では、上部工は北海道開発局の案件が多く、北海道や札幌市の案件もみえる。規模はいずれも長大橋。落札者は北海道横断自動車道で2案件が進捗する楢崎製作所をはじめ、日本高圧コンクリート、ドーピー建設工業、新太平洋建設、釧路製作所など地元企業が多い。
 今後に上部工事が予想される下部工では、北海道札幌建設管理部の妹背牛橋架替え関連や、帯広建設管理部の中島橋架替え関連、北海道開発局釧路道路事務所の雪裡橋関連が目立つ。
 補修ではNEXCO北海道支社が管内の橋梁補修をまとめ‥紙面へ

◆青森県域 
設計 青森港関連橋梁補修など
新設工事 下部工で大型案件多く
補修大型案件 耐震補強関連目立つ

 青森県域の2020年度の1000万円以上の橋梁設計案件は青森県東青県民局地域整備部の青森港の橋梁補修関連が多い。他に上北県民局地域整備部や下北県民局地域整備部では新設橋梁設計もみえる。東北地整やNEXCO東北支社は管内橋梁の補修設計として面的に契約、五所川原市では新津軽大橋の耐震補強など。
 受注者は地元のキタコンやコサカ技研が県や市の案件を受注。6000万円超の仮新金矢橋詳細設計はCPCが受けている。
 800万円以上の橋長点検業務も県の発注がほとんどで、路線を指定した範囲での発注や、白鳥大橋など橋梁限定の点検業務として発注されている。東北地整青森河川国道は管内の溝橋に限定した点検を発注している。受注者は地元業者がほとんど。
 2月以降に工期を迎える1億円以上の橋梁工事はすべて下部工事。なかでも八戸市の新大橋整備関連は最多で、特にその3工事は桁違いの多額だ。ほかに青森県三八県民局地域整備部の八戸環状線関連、下北県民局地域整備部の赤坂橋架け替えなど。受注者には穂積建設工業など事務と企業が連なる。
 2月以降に工期を迎える7000万円以上の橋梁補修事業はほとんどが耐震関係で‥紙面へ

◆岩手県域
設計、点検は市の案件も目立つ 補修・耐震設計がほとんど
東北技術事務所で溝橋まとめた点検も
工事は新設・補修とも県案件が多く

 岩手県域の2000慢円以上の設計は補修設計と耐震補強設計が中心で、新設や架け替えは花巻市の井戸向橋架け替え設計。市町村の案件が多い。
 800万円以上の橋梁点検業務も市町村が多く、他に県が路線指定で発注しているほか、東北地整では岩手県内の溝橋の診断を一括して出している。
 設計、点検とも土木技研やサンエスコンサルタント、エヌティーコンサルタント、吉田測量設計、東日設計コンサルタントなど地元業者が受注者に連なる。
 2月以降に工期を迎える1億円以上の橋梁新設工事は県の案件がほとんどで、加えてほとんどが上部工事。今後上部工事が期待される下部工事も県の案件が多く、県南広域振興局の多聞坊橋架替え、盛岡広域振興局の五日市橋架替えなど。
 2月以降に工期を迎える7000万円以上の橋梁新設工事も県案件が多く‥紙面へ 

2020年度 北海道域の設計5 0 0 0 万円以上、 点検4 0 0 0 万円以上
2020年度 北海道域の設計5 0 0 0 万円以上、 点検4 0 0 0 万円以上