3眼カメラシステムで配筋検査  東北中央自動車道 東根川橋上部工工事で実用化

3眼カメラシステムで配筋検査

 清水建設が国土交通省のPRISM(建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト)を通じシャープと共同開発した「3眼カメラ配筋検査システム」が、東北中央自動車道東根川橋上部工工事の配筋検査手法として初採用された。
国交省の発注工事において、デジタル化された配筋検査システムが採用されたのは今回が初という。
これまでは、配筋にはわせた検尺ロッド(スケール)を写真に収める人手に頼った配筋検査が求められていた。
今回開発されたシステムは、3眼カメラとシステム制御ソフトから構成されており、3つのカメラで異なる方向から同時に撮影することにより、三角測量の原理を応用して画像データの3次元情報を把握するもの。制御ソフトは画像から鉄筋を抽出したうえで、縦・横方向の鉄筋径や配筋の平均間隔、本数、重ね継手の長さ、かぶり(コンクリート厚)を計測し、検査帳票まで自動で作成する。
精度は鉄筋径で±1mm、配筋の平均間隔で±5mmと工事管理基準内に収まっており、二段配筋等の複雑な配筋検査にも対応できる。また、このシステムにより、配筋検査にとられる人員、時間がそれぞれ3分の1以下となるという。
東根川橋上部工工事は、橋長236m(3径間、最大支間長110m)の橋梁を建設する。橋梁は10日程度のサイクルで施工が進むため、配筋検査の機会が多いことから、清水建設はPRISMを通じ、発注者である東北地方整備局に3眼カメラ配筋検査システムの採用による施工の合理化を提案。その結果、システムの有用性が認められ採用された。
工事では、3眼カメラ配筋検査システムが橋面躯体工の段階確認検査で所定の検査性能と省人化効果を発揮しているという東北地方整備局発注の国道45号線新思惟大橋上部工工事でも3眼カメラ配筋検査システムの採用が内定している。
3眼カメラ配筋検査システム使用方法は極めて単純で、発注者あるいは施工者の品質管理者が指定した検査対象範囲を単に撮影するだけで、わずか7秒後に検査結果が自動的に画面表示され、管理者はストレスなく検査業務を継続できるるという。一度の撮影で検査できる範囲は1m四方だが、複数の撮影結果を合成した広域の検査結果を取得することも可能。また、配筋の妥当性が一目でわかるように、検査結果とCIMの配筋図データとを色を分けして重ね合わせることも可能だ。
3眼カメラ配筋検査システムの活用で、検査業務の精度を維持しつつ、効率化できることに加え、安全性の向上も可能という。離れた場所からの配筋検査が可能で、足場などが不要になる。
将来的には、このシステムと遠隔臨場システムを組合わせて、発注者の立会検査を代替し、立会日時の調整、発注者の移動等のムダを削減する考えだ。リモート・非接触による配筋検査は感染症対策としても有効という。
同社は引き続き、土木工事の発注者に対して3眼カメラ配筋検査システムの有用性を提案し、全国の土木現場に水平展開‥紙面へ