橋梁点検支援技術を公募 定期点検の効率化に向け  点検支援技術性能カタログの充実へ

新技術募集

 国土交通省は橋梁、トンネルの点検支援技術を公募している。国交省が定期点検の効率化に向け、新技術の積極的な活用を促進する一環。
これまで、活用可能な技術について、その性能値などをとりまとめた「点検支援技術性能カタログ(案)」を2019年2月に策定し、2020年6月には掲載技術数の拡充をしている。
新技術の公募期間は2021年1月29日までで、公募要領、応募資料作成要領、応募様式などは実施機関の橋梁調査会のホームページからダウンロードできる。
国交省は構造物の健全性診断に使う技術をLEVEL1~4に分類・整理している(図)。LEVEL1~3は部位・部材の状態把握技術、LEVEL4は部位・部材の健全性の診断技術。LEVEL1は画像計測技術、非破壊検査技術▽LEVEL2は計測・モニタリング技術で任意のタイミングで状態把握し、「どこか」が「壊れた」ことを把握する技術(監視への活用を想定)▽LEVEL3は計測・モニタリング技術で状態の把握、健全性の診断のための情報を定量的に把握する技術▽LEVEL4は計測・モニタリング技術で診断の定量化をする技術。
今回の募集で示されたリクワイヤメント(要求仕様)は①PC上部工や吊材の状態把握(想定される利用シーンはLEVEL2・3)②支承の機能障害(同)③基礎の洗掘など(同)④点検に係る現場作業の効率化などに資する技術(想定される利用シーンはLEVEL1)⑤点検結果のとりまとめ(内業)の省人化・省力化が可能な技術(同)。
PC上部工や吊材の状態把握では二つの課題、▽PC上部工の構造の要であるPC鋼材は、主桁の引張力を受け持つ重要な部材であるが、通常、コンクリート中に埋め込まれており、その状態を直接目視で把握することが困難▽吊材についても、通常、塗装または保護管などで被覆されており、目視や触診ではその状態が把握できないため、新技術を活用した状態の把握が求められる--ことに対応する新技術を募集する。想定する技術例は▽PC鋼材の劣化状況(破断を含む)を把握する技術▽吊材の状態や劣化状況(破断を含む)を把握する技術、など。
PC鋼材の状態把握のための計測項目の例として、▽コンクリート中のPC鋼材緊張力▽コンクリート中のPC鋼材の破断(欠損)▽コンクリート中のPC鋼材の断面積の減少▽コンクリート中のPC鋼材のシース内の空隙(水分量)を挙げている。
吊橋の状態把握のための計測項目の例として▽吊材張力▽塗装や保護管で被覆された吊材の破断(欠損)▽吊材の断面積の減少▽吊材内部にある水分・湿気を挙げている。
PC鋼材、吊橋とも、計測したい物理量に対して、直接計測するのではなく、別途計測した値を用いて換算(推計)する手法も対象としている。
支承の機能障害では二つの課題、▽支承は、必要に応じて橋梁の上部構造と下部構造との間に設置されている部材で、通常、桁端部などの狭隘部に設置されているため、人が接近しにくく、直接目視が困難となっている、▽支承の状態(機能障害)をより適切に把握するためには、作用荷重などの定量的な情報を取得できる技術が求められる--ことに対応する新技術を募集する。想定する新技術は支承の状態や劣化状況を把握する技術。
支承の状態把握のための計測項目の例として▽支承の反力▽支承の移動量▽支承の傾斜量を挙げている。計測したい物理量に対して、直接計測するのではなく、別途計測した値を用いて換算(推計)する手法も対象としている。
橋梁基礎の洗堀では二つの課題、▽橋梁の基礎部分は水中や土中にあるため、その状態を近接目視により直接的に把握することが困難である、▽一方、河川増水時の洗掘や、土砂災害などにより基礎が損傷し、その結果、沈下や傾斜が生じることから、基礎の状態を把握する技術が求められる--ことに対応する新技術を募集する。想定する新技術は▽水中カメラなどにより、橋梁基礎の状態を把握する技術、▽橋脚や下部工の沈下・移動・傾斜等の変位を把握する技術。
基礎洗堀の状態把握のための計測項目の例として、▽水中部・土中部の橋梁基礎の断面欠損▽水中部・土中部の橋梁基礎の洗掘量・沈下量▽地盤高やフーチング基礎天端の高さ▽橋梁基礎周辺の河床高▽橋梁の部分的な沈下や移動、傾斜等の変位を挙げている。計測したい物理量に対して、直接計測するのではなく、別途計測した値を用いて換算(推計)する手法も対象としている。
点検に係る現場作業の効率化等に資する技術では、橋梁の点検を近接目視にて行う際は、部位によっては作業の際に仮足場などを設置しており、構造が単純・小規模な橋梁であっても、その数が多いことから、作業の効率化やコストの低減が課題であるとして、これに対応する新技術を募集する。想定する技術は、 新技術の活用により、点検に係る現場作業の効率化やコスト低減が可能な技術。
点検結果のとりまとめ(内業)の省人化・省力化が可能な技術では、定期点検の結果について、点検調書へのとりまとめなどで、大量の写真データや損傷データの整理に手間がかかるなどの課題があるとして、これに対応する新技術を募集‥紙面へ

リクワイヤメント

新技術 PC上部工や吊材の状態把握
新技術 橋梁基礎の洗堀等
新技術 支承の機能障害1
新技術 点検に係る現場作業の効率化等に資する技術
新技術 点検結果のとりまとめ(内業)の省人化・省力化が可能な技術