橋梁の架替に関する調査結果(Ⅴ)を公表 国総研/架替橋数は減少傾向 架替理由は上部工損傷増加傾向

各年度の調査における架替理由

 国土技術政策総合研究所は9月7日、国総研資料第1112号として「橋梁の架替に関する調査結果(Ⅴ)」を公表した。
国土交通省の各地方整備局、北海道開発局、沖縄総合事務局、各都道府県および各政令指定都市が管理する橋梁のうち、2006年7月1日から2016年6月30日までに架替工事が行われた1089橋を対象として、2016年度に国土技術政策総合研究所により行われた架替橋梁に関する調査結果をとりまとめたもの。橋長2m以上の橋梁を対象として道路管理者にアンケート調査を依頼し、バックデータとした。研究期間は2016年~2020。
架替理由の内訳については、昭和52年度、昭和61年度、平成8年度、平成18年度および、平成28年度のいずれの年度の調査においても、上部構造の損傷、下部構造の損傷、耐荷力不足、耐震対策、機能上の問題、改良工事の6項目中、改良工事、上部構造の損傷、機能上の問題が多い(昭和52年度調査では架替理由の選択肢に耐震対策がなかったため、耐震対策による架替はその他の項目に含まれる)。
平成28年度の架替理由の内訳をみると、改良工事の内訳は都市計画に伴う架替が多く、次いで架替理由で多い上部構造の損傷の内訳は塩害によるコンクリート桁の亀裂・剥離、経年劣化による鋼材の腐食、外的要因による劣化に伴う床版の破損が多く、機能上の問題の内訳は支間不足が多い。
なお、平成28年度の調査における架替理由のその他327橋の中には、地震災害による架替152橋が含まれている。
橋種別の架替理由の内訳では、平成8年度調査以降、いずれの橋種も上部構造の損傷の占める割合が年々増加しており、平成28年度調査では鋼橋が24・4%、RC橋が32・7%、PC橋が20・2%を占めている。
年ごとの架替橋梁数は、平成11年頃をピークに減少傾向がみられる。また、架替理由のうち、損傷が占める割合は、概ね増加傾向がみられる。 鋼橋の架替橋梁数は減少傾向がみられる一方で、 RC橋は平成17年度以前が減少傾向でそれ以降が増加傾向、PC橋は概ね横ばいで推移している。
架替理由については、いずれもの調査においても、供用年数が増加するにつれ、損傷による架替が占める割合が増加する傾向がみられた。
上部構造の損傷の内訳を調査年度ごとにまとめた結果では、鋼橋においては、平成28年度調査で鋼材の腐食が約61%、床版の破損が約18%と多く、過年度の調査においても概ね同様の傾向がみられた。
RC橋においては、平成28年度調査でコンクリート桁の亀裂・剥離(塩害によるものを含む)が約60%、床版の破損が約27%と多く、過年度の調査においても概ね同様の傾向がみられる。
PC橋においては、平成28年度調査でコンクリート桁の亀裂・剥離(塩害によるものを含む)が約57%、床版の破損が約24%と 多く、過年度の調査においても概ね同様の傾向がみられる。
架橋地別でみると、上部構造の損傷による架替の占める割合は、市街地、郊外の平地、山間部でいずれも20%未満であるのに対し、海岸部(海岸線より300m以内)では約50%となっている。
海岸部では、鋼材の腐食(約31%)とコンクリート桁の亀裂・剥離(約62%)が合わせて約93%と他の立地条件(約63~77%)に比べて大きく占めるのに対し、市街地、郊外の平地、山間部では、床版の破損が約23~32%と海岸部(約4%)に比べて大きく占めていることが‥紙面へ

上部構造の損傷による架替理由の内訳(平成 28 年度調査)
橋種別架替理由内訳(平成 28 年度調査)