厚労省 橋梁塗膜除去工事にパンフで啓発 塗膜剥離剤による中毒多発受け注意喚起

厚生労働省は、橋梁塗膜除去工事などで剥離剤による中毒が多発しているとして、パンフレットを作成するなどして注意の呼びかけの強化をはじめた。
同省によれば、橋梁などの塗料をはがす作業において、さまざまな剥離剤が使用されるなか、剥離剤に含まれる化学物質への引火による火災や、吸引による中毒事案が頻発している状況にあるという。原因物質の中には、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)、有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)などの法令(以下、特化則等)による規則の対象となっている物質以外の物質も含まれているという。
こうした状況を受けて、剥離剤を使用する作業において発生した労働災害の事例、剥離剤に含まれる化学物質の危険有害性、剥離剤を使用する作業において講ずべき措置などについて、周知することを目的にパンフレットなどをとりまとめた。
剥離剤による火災および中毒事案も紹介されており、このうち橋梁関連のものは、火災が1例、中毒が4例の計5例。
火災事例は、橋梁工事においてベンジンアルコール含有の剥離剤により塗膜の除去作業を行っていたところ、火災が発生し、死傷者複数人を出したもの。既存の塗膜に鉛や塩素化ビフェニル(PCB)などの有害物質が含まれるため養生をしており、かつ換気設備は稼働していなかったため、気化した剥離剤が滞留しやすく、また、塗膜くずも堆積した状況になっていた。
中毒事例4例はいずれも橋梁工事において▽ベンジルアルコール含有の剥離剤により桁の塗料の剥離作業を行っていたところ、複数人が意識不明や足元がおぼつかなくなったもの。災害当時、全体換気はなされており、また防護服および電動ファン付き呼吸用保護具を着用していた▽ベンジルアルコール含有の剥離剤により桁の塗料の剥離作業を行っていたところ、複数人が吐き気や視覚障害などを発症したもの。被災当時、防護服や防護メガネは着用していたが、呼吸用保護具の着用状況は不明▽剥離剤の乾燥を防止するためビニルシートで養生を行い、ベンジンアルコール含有の剥離剤により桁の塗料の剥離作業を行っていたところ、意識を失ったもの。災害当時、換気は行っており、また防護服および防毒マスクを着用していたが、防毒マスクの吸収缶の破過時間の管理を行っていなかった▽防炎シートと厚手のビニルシートで養生された環境下でベンジルアルコール含有の塗膜剥離剤の吹付け作業を行っていたところ、意識を失ったもの。被災当時、防護服および防毒マスクを着用していた‥紙面へ