2020年度 高速各社発注見通し 中日本が件数多く 特定更新や塗替え、耐震など

高速道路会社の2020年度発注見通しから集計した橋梁事業の発注時期(発注時期が2021年度以降のものを表からカットしたので、右列の総数と掲載分の集計数は合わない)

■工事の先行指標となる設計も特定更新・耐震で67%/塗替えは1184千㎡超

 高速道路各社は2020年度の発注見通しを4月に公表した。NEXCO3社および首都高速、阪神高速、本四高速の6社の橋梁関連案件は合計で772件。そのうち工事案件は506件、設計案件は266件だった。工事案件では補修が8割超の412件、下部工が52件、上部工が42件。大規模更新・修繕などの特定更新更新関連は198件(工事、設計ともに99件)、塗装塗替えは86件(1184千㎡超)、耐震補強は239件(工事157件、設計81件)で、特定更新と耐震で全体の6割に届きそうなボリュームとなっている。工事の先行指標となる設計は、特定更新が37%、耐震が30%を占め、この2つで67%に達する。修繕は特定更新24%、耐震38%、この2つで62%であることから、今後はさらに増勢傾向となり、特定更新が伸びてきそうだ。
発注機関別ではNEXCO中日本が354件で45%超を占め、次いでNEXCO西日本が183件、NEXCO東日本が136件、阪高が45件、首都高が29件、本四が25件。

■上部工 鋼橋25件、PC17件/NEXCO関東支社、関西支社、名古屋支社で多く

 上部工は42件で、工種の内訳は鋼橋が25件、PCが17件。NEXCO東日本関東支社が最多で15件、次いでNEXCO西日本関西支社11件、NEXCO中日本名古屋支社9件。鋼橋はNEXCO東日本関東支社が5割超を占め、一方PCはNEXCO西日本関西支社で多い。

■上部の先行指標となる下部/NEXCO名古屋支社、九州支社多く

 下部工はNEXCO中日本名古屋支社が最多の11件、NEXC東日本関東支社が5件など、上下部工とも多い事務所がある一方、下部工が多く今後の上部移行が見込まれる事務所として、NEXCO中日本八王子支社(上部ゼロ、下部6件)、NEXCO西日本九州支社(上部4件、下部11件)なども見られる。

■修繕 NEXCO中日本で多く/特定更新、塗替えの5割超を占める/耐震補強はNEXCO西日本が多い

 修繕はNEXCO中日本名古屋支社が最多の71件で、次いで同東京支社が58件、同八王子支社と阪高がそれぞれ39件と、NEXCO中日本が多い傾向。特に特定更新と塗替えが多く、特定更新の5割超、塗替えの約5割をNEXCO中日本が占める。特に東京支社と名古屋支社多い。一方耐震補強は3割程度で、最多はNEXCO西日本。ただ支社別ではNEXCO西日本四国支社の31件に、NEXCO中日本八王子支社が次ぐ。

■工事の先行指標となる設計もNEXCO中日本が5割超占める/中日本・東日本とも特定更新と耐震で7割弱~8割強/一方西日本は2割強にとどまる

 設計もNEXCO中日本が最多で141件と5割超を占め、その半数以上の73件を名古屋支社が占める。支社内では特定更新と耐震補強の設計が際立って多く、特定更新の設計全数の8割以上がNEXCO中日本の案件で、耐震補強も5割がNEXCO中日本の案件。特に耐震補強は名古屋支社に集中している。今後の工事発注が見込まれる。NEXCO東日本も設計発注の62%を耐震補強が、24%を特定更新が占め、この2つで86%に達し、今後の工事もこれらが増勢と見込まれる。一方、NEXCO西日本は特定更新が10%、耐震補強が19%で、これ以外の新設や補修の設計7割超を占めており、今後の工事の傾向がNEXCO東日本や中日本と異なり‥紙面へ

■特定更新198件 NEXCO中が133件で突出 設計も多く/耐震工事 今後の増勢はNEXCO東日本/特定更新と耐震で 発注件数の6割近く

 特定更新は198件で、発注案件の25%超を占める。最大はNEXCO中日本で133件、NEXCO中日本の全発注が354件なので、このうちの37%が特定更新が占めている。特に東京支社が51件で最多で、名古屋支社39件、八王子支社36件。ほかにNEXCO西日本が24件、東日本が22件、阪神高速が18件。
特定更新の工事と設計の件数はそれぞれ99件で同数だが、中身を見ると、NEXCO東日本と西日本、阪神高速は工事件数の方が設計件数より多く、一方NEXCO中日本は工事52件に対し設計81件と1・5倍超となっており、今後の工事も増勢とみられる。
耐震補強は239件で、発注件数の30%超を占める。最大はNEXCO中日本で97件と、耐震補強の40%超を占め、次いで西日本が80件、東日本が43件。
耐震補強の工事件数は157件、設計が81件と、工事が設計の1・9倍超となっており、各発注者とも工事より設計が極端に少ない一方、NEXCO東日本のみが工事(17件)より設計(26件)が多く、引き続き工事が増勢にあることが分かる。
特定更新と耐震補強の合計件数が、各事務所の発注件数に占める割合は軒並み5割超であることから(平均57%)、事業のほとんどがここに集中している様子がうかがえる。最大はNEXCO中日本で65%、次いで阪神高速60%、NEXCO西日本57%。支社別ではNEXCO西日本四国支社が87%で最大、次いでNEXCO中日本‥紙面へ

■塗替え 最大はNEXCO中日本で5割超

 塗替えは86件で、規模は1184400㎡+79連+1式×5。
最大はNEXCO中日本で5割超を占める。支社別ではNEXCO名古屋支社、首都高速、阪神高速などが多い。
案件別の規模を見ると、NEXCO名古屋支社、東京支社の特定更新関連や、首都高速、阪神高速の塗装塗替えが上位を占める。発注件数86件のうち39件が特定更新関連。
平米数では連や式で表記している9案件を除き、10万㎡以上が2件‥紙面へ

■発注時期 第2四半期が最大で236件/ 耐震補強 第1四半期と第2四半期に集中/塗装塗替え 第3四半期と第4四半期に多く

 発注時期は第2四半期が最大で236件、次いで第1四半期180件、第4四半期148件、第3四半期134件など。上半期や2020年度内、2021年度以降、検討中などのものもある。
このうち大規模更新関連は、第2四半期が最多の87件、次いで第3四半期37件、第1四半期31件、2021年度20件、第4四半期が16件など。NEXCO東日本は第1四半期の発注はなく、2021年度に4件、NEXCO中日本はすべての四半期で発注があり、加えて2021年度にも12件を予定。NEXCO西日本もすべての四半期で発注があるが、来年度以降のものは見通しに掲載はない。西日本は第1四半期と第2四半期に発注を集中している傾向がある。
塗装塗替えは第3四半期と第4四半期に多い傾向がありそれぞれ28%ずつの24件。ただ、本四高速は発注全数を第1四半期に集中している。
耐震補強は第1四半期と第2四半期に集中しており、それぞれ73件と、69件、上半期1件で、上期で6割超に達する。ただ、NEXCO西日本は第1四半期から第4四半期に向かって徐々に発注件数を増やし、第4四半期が最多の22件‥紙面へ

■NEXCO東日本/新設、改築には6130億円/大規模更新・大規模修繕に350億円

 NEXCO東日本は2020年度の事業計画を公表した。事業費は高速道路事業1兆0803億円、同事業以外653億円の総額1兆1456億円。高速道路の新設、改築には6130億円を投じ、東関東自動車道など5道路85kmの新設、関越自動車道など16道路152kmの改築に取り組む。20年度は常磐自動車道の山元IC~亘理ICの4車線化などの事業を完成させる。
高速道路の維持・修繕・災害復旧・その他管理の事業費は4672億円で、北海道縦貫自動車道など33道路3943kmに4322億円、24道路322kmの大規模更新・大規模修繕に350億円‥紙面へ

■NEXCO中日本/新設、改築には7181億円/大規模更新・模修繕には1454億円

 NEXCO中日本は2020年度事業計画を公表した。事業費は高速道路事業1兆960億円、関連事業661億円、総額1兆3008億円。新設、改築には7181億円。維持、修繕、災害復旧その他の管理には3712億円、大規模更新・模修繕には1454億円をあてる。
今年度内には、第二東海自動車道横浜名古屋線(御殿場JCT~御殿場間)7km、近畿自動車道伊勢線(名古屋西JCT~飛島JCT間)12km、計19kmの完成‥紙面へ

■NEXCO西日本/新設・改築に3034億円/大規模更新・修繕事業には728億円

 NEXCO西日本は2020年度事業計画を公表した。事業費は高速道路事業9085億円、関連事業193億円、総額9278億円。新名神高速道路の建設推進など、高速道路の新設・改築に3034億円を充てる。高速道路の維持・修繕・災害復旧その他管理に5323億円を充て、中央自動車道など計42道路3534kmの維持・修繕などを実施。大規模更新・修繕事業には728億円を投入し、中央自動車道など計24道路314kmを実施する。
新設は15道路71km。新名神の大津JCT~城陽JCT・IC(25・1km)や、八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC(10・7km)、中国横断自動車道(姫路鳥取線)播磨新宮IC~山崎JCT(11・4km)などで工事を進める。
改築は計10道路155キロで4車線化事業を展開。湯浅御坊道路御坊IC~有田IC(19・4km)や、阪和自動車道御坊IC~印南IC(9・8km)、舞鶴若狭自動車道‥紙面へ

■首都高速/新設・改築に649億円/規模更新には381億円

 首都高速は2020年度事業計画を公表した。高速道路事業は2997億円、関連事業は92億円、事業費総額3089億円。 高速道路事業は、新設・改築が649億円、維持・修繕・災害復旧・その他管理が2348億円。新大宮上尾道路の与野~上尾南など4路線10・4kmの新設工事や、3号線の池尻・三軒茶屋出入り口付近の付加車線増設といった改築工事に268億円を投じる。1号線の東品川桟橋~鮫洲埋め立て部1・9kmなどの大規模更新には381億円を計上。
維持・修繕・災害復旧・その他管理の事業費は、36路線の327・2kmが1501億円で、3号線の池尻・三軒茶屋出入り口付近1・5kmなどの大規模更新と、18路線55・2kmの大規模修繕には847億円‥紙面へ

■阪神高速/新設・改築に255億円、湾岸線西伸部など促進/大規模更新・修繕に579億円

 阪神高速は2020年度事業計画を公表した。高速道路事業1787億円、関連事業費を加え、総額3760億円。高速道路の新設・改築に255億円を投入し、建設を進めている3路線26・5kmを促進。大阪地区では都市再生環状道路の一部を形成する一般国道1号淀川左岸線延伸部、兵庫地区では一般国道2号大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)の事業を継続する。大阪松原線(喜連瓜破付近)の大規模更新には12億円を予定している。
高速道路の維持、修繕、災害復旧その他の管理については941億円を計上。大阪池田線など計20路線258・1kmにあてる。大規模更新・修繕には、579億円を投じ、大阪堺線(湊町付近)などの大規模更新、池田線など計13路線86kmの大規模修繕‥紙面へ

■本四高速/維持・修繕、災害復旧498億円/大規模修繕に30億円

 本四高速は2020年度事業計画を発表した。高速道路事業529億円、関連事業費37億円、総額566億円。
神戸淡路鳴門自動車道と瀬戸中央自動車道、西瀬戸自動車道(しまなみ海道)の計172・9kmの維持・修繕、災害復旧費が498億円。同3路線の大規模修繕事業には30億円。このほか1億円で、瀬戸中央自動車道でスマートIC、しまなみ海道でICをそれぞれ1カ所‥紙面へ

高速道路会社発注見通し集計
高速道路会社の2020年度発注見通しから橋梁耐震関連抜粋集計
高速道路会社の2020年度発注見通しから橋梁塗装関連抜粋集計
高速道路会社発注見通しから橋梁塗装を抜粋
高速道路会社の2020年度発注見通しから抜粋集計した橋梁特定更新事業(大規模更新・床版取替)
高速道路会社発注見通し(特定更新・床版取替案件を抜粋、4月現在)