岩手県域点検1巡目結果 Ⅲ、Ⅳ判定橋梁修繕概況

岩手県地勢

■岩手県域 凍結防止剤は主桁、凍害は下部工に影響
Ⅲ判定橋 主桁、下部工に損傷傾向高く
Ⅲ、Ⅳ判定の1352橋 修繕着手率33% 未着手906橋

◆管理概要
岩手県内の国道や高速道路、県道、市町村道の道路延長は約33,500kmで、橋梁数は約13,800橋。このうち、約7割の約9,800橋が市町村管理。多くが高度経済成長期に建設され、建設のピークは東北縦貫自動車道が整備された1970年代後半、そのため老朽化が急速に進む。
建設後50年を経過した橋梁は、架設年次が不明な3,648橋を除くと、2019年3月末時点で約2,200橋で全体の21%だが、20年後には74%の約7,500橋まで増加・・紙面へ

◆岩手県域の地勢
岩手県は、本州の中でも冬期の気候が特に過酷で、国内有数の寒冷地として知られている。概ね北上山地を境に、西側の内陸部では積雪寒冷地、東側の三陸沿岸部は寒冷地となっている。さらに三陸沿岸部はリアス地形に沿って造られた道路線形となっている。こうしたことから、全域にわたって凍結抑制剤が散布・・紙面へ

◆岩手県域の損傷傾向
凍結抑制剤の散布量の影響をみると、散布量が少ない橋梁に比べ、散布量が多い橋梁の健全度が低い傾向があり、部材別では、主に主桁に影響がみられる。
また、凍害(凍結融解の複合作用によるスケーリング)と思われる損傷が、下部工で多くみられる。
劣化が進行している判定区分Ⅲ以上の橋梁では、東北全体と比較して岩手県は主桁、下部工の損傷傾向が高い。
橋梁の損傷の多くは支承や橋桁端部に集中しており、伸縮装置からの凍結抑制剤の塩分を含んだ漏水に起因する。床版では、路面水の浸透が劣化の進行を早・・紙面へ

◆長寿命化修繕計画(個別施設計画)
計画的なメンテナンスによる橋梁の長寿命化と予算の平準化を狙った橋梁長寿命化修繕計画(個別施設計画)の、岩手県内の策定状況は、国交省と、高速道路会社、県・政令市は完了しており、市町村は進捗91%。市町村は2020年度の策定を総務省が求・・紙面へ

◆1巡め点検結果
岩手県域の13767橋(市町村管理9822橋)のうち、2014~18年度に定期点検を実施したのは13613橋(市町村管理9728橋)。管理橋梁が多いのは岩手県2662橋(管内シェア19・3%)、一関市1236橋(9・0%)、奥州市1142橋(8・3%)、花巻市1005橋(7・3%)、高速道路会社687橋(5・0%)。一方少ないのは野田村46橋(0・3%)、普代村51橋(0・4%)、田野畑村60橋(0・4%)、九戸村80橋(0・6%)、山田町88橋(0・6%)。
判定区分はⅠが5157橋(市町村管理4044橋)、Ⅱが7104橋(市町村管理4794橋)、次回点検までに修繕が求められるⅢ、Ⅳ判定は、Ⅲが10%で1340橋(市町村管理878橋)、Ⅳが0・1%で12橋(市町村管理12橋)。道路管理者とも判定区分Ⅱの比率が高く、予防保全段階の橋梁が多い。
Ⅲ、Ⅳ判定の1352橋のうち、最多は岩手県233橋(管内ⅢⅣ判定全橋に占める割合17・2%)、高速道路会社150橋(11・1%)、奥州市99橋(7・3%)、一関市86橋(6・4%)、宮古市72橋(5・3%)、花巻市69橋(5・1%)、盛岡市58橋(4・3%)、大船渡市53橋(3・9%)、遠野市44橋(3・3%)、岩手河川国道と釜石市がそれぞれ41橋(3・0%)など。
2019年3月末時点の判定区分Ⅲ、Ⅳ橋梁の修繕着手率は33%446橋で、着手率100%が雫石町、大槌町、九戸村、田野畑村、滝沢市、次いで洋野町91%、普代村89%、三陸国道82%、岩手町と平泉町がそれぞれ75%など。一方着手率が低いのは葛巻町0%、北上市3%、花巻町4%、久慈市8%、金ケ崎町13%、宮古市15%、遠野市16%、大船渡市19%、釜石市20%、紫波町23%など。
修繕未着手橋梁は906橋で、このうち市町村管理が605橋。最多は岩手県173橋(管内未着手全橋に占める割合19・1%)、高速道路会社110橋(12・1%)、花巻市66橋(7・3%)、奥州市63橋(7・0%)、一関市と宮古市がそれぞれ61橋(6・7%)、盛岡市と大船渡市がそれぞれ43橋(4・7%)、遠野市37橋(4・1%)、釜石市と北上氏がそれぞれ33橋(3・6%)・・紙面へ

◆2巡め点検計画
岩手県域の2巡目点検計画は、計画全数13825橋のうち、2019年度が17%(2367橋)、20年度が17%(2385橋)、21年度が26%(3566橋)、22年度が28%(3824橋)、23年度が12%(1683橋)。国交省がピークを20年度に、高速道路会社と市町村が22年度に、県政令市は19年度においている。県政令市は1巡目点検とおおよそ同様の配分・・紙面へ

岩手県域のⅢ,Ⅳ判定橋梁の修繕着手率、着工率
岩手県損傷事例