点検1巡目結果公表 道路メンテナンス年報2014-18

次回点検までに修繕が求められるⅢ,Ⅳ判定橋梁が多い地域(2014-18年度累計)

◆国交省 道路定期点検1巡目ほぼ完了/自治体管理施設で修繕に遅れ

国交省は2013年の道路法改正などを受けて、道路管理者に14年から義務付けている5年に1度の道路施設の全面的な近接目視点検で、サイクルの1巡目(2014~18年度)の結果をまとめた。対象構造物の点検はほぼ完了。建設後50年を経過する橋は27%だが、これが10年後には52%を占めるまでになる。現状で「健全」な橋梁(判定区分Ⅰ)や「予防保全段階」(判定区分Ⅱ)の橋梁が9割を占めるが、点検結果から、橋齢と劣化の関連では経年につれ、国交省が次回点検までに修繕を求める「早期措置段階」のⅢ判定の橋梁と「緊急措置段階」のⅣ判定の橋梁が増える傾向が出ており、橋齢50年以上の橋梁ではⅢ・Ⅳが2割に届きそうであることから、今後Ⅲ、Ⅳ判定の増加が懸念される。また緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋や跨線橋、緊急輸送道路を構成する橋梁などの緊急性が高く位置付けられている橋梁の方が、橋梁全数の判定結果よりも、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ判定の割合がいずれも上回っており、他の橋梁に比べ劣化が進んでいることが分る。管理橋梁が多いのは岡山県域の32846橋(全国の橋梁数の4・5%)、北海道域の30877橋。Ⅲ、Ⅳ判定の橋梁は絶対数ではⅢは北海道域(4959橋)、新潟県域(4555橋)、長野県域(3080橋)に多く、Ⅳは高知県域(65橋)、北海道域(57橋)、茨城県域(49橋)に多い。管理橋梁に占めるⅢ、Ⅳ判定橋梁の割合ではⅢは鳥取県域(21%)、新潟県域(20%)、北海道域(16%)、大分県域(16%)が高く、Ⅳは高知県域(0・48%)、沖縄県域(0・35%)、茨城県域(0・33%)が高率だった。Ⅳ判定橋梁のうち恒久対策が決まった橋梁で、これから対策に着手する橋梁は423橋で、高知県圏域が最多の51橋。点検結果を踏まえて実施する修繕は、国交省と高速道路会社は次回点検までに修繕できるペースで着手されている一方、地方自治体では遅れが目立つ状況だ。ただ、着手率からは、緊急輸送道路関連の橋梁を優先的に修繕している様子がうかがえる。ほかに、全国72万橋(161百万㎡)のうち地方公共団体が管理する橋梁は、橋数ベースでは66万橋と9割以上を占めるが、面積ベースでは約5割に低下。また72万橋の74%を占める2m以上15m未満の橋梁はその多くが地方自治体の管理で、管理区域内に多くの小規模橋梁が点在していることが、改めてデータから見てとれる。ほかに、現状では資格がないと点検できないという定めはないが、18年度の地方自治体の点検においては、報告があった橋梁のうち約半数の橋梁が、国の研修の受講や民間の資格の保有がない点検者によることも分かった。
適切な維持管理を継続していくためには、この点検、診断、補修、記録のメンテナンスサイクルを回し続けることになる。これらの結果から、引き続き2巡目点検を進めつつ、修繕が遅れている地方のⅢ・Ⅳ判定の橋梁、予防保全が望ましいⅡ判定の橋梁への対策が、制度や技術、予算措置などの面で求められそうだ。企業・産業側には、こうした地方の橋梁の現状と、地方の点検・補修体制の実情に訴求する技術開発と商流、利益構造の組み立てが、市場で求められそうだ。
一方、逆に管理橋梁が少ないのは沖縄県域の2602橋、東京都域の5872橋。Ⅲ、Ⅳ判定の橋梁が絶対数で少ないのはⅢが沖縄県域(278橋)、山梨県域(484橋)、宮崎県域(537橋)、Ⅳが0橋の宮崎県域と広島県域、2橋の福井県域と宮城県域だった。管理橋梁に占めるⅢ、Ⅳ判定の橋梁が少ないのはⅢが栃木県域(5%)、福岡県域(6%)、宮崎県域(6%)、滋賀県域(6%)、山梨県域(6%)、佐賀県域(6%)、熊本県域(6%)、長崎県域(6%)、三重県域(6%)、愛知県域(6%)、埼玉県域(6%)、岐阜県域(6%)。Ⅳが0橋の宮崎県域と広島県域、福岡県域(0・01%)、岡山県域(0・02%)、宮城県域(0・02%)‥紙面に続く

◆1巡目点検 71万7391橋の99・9%で完了

1巡目の点検実施率は▽橋梁が99・9%(管理施設72万2942橋、うち18年度末時点で供用後5年以内などを除いた点検対象施設71万7391橋、点検実施71万6557橋)▽トンネルが99・5%(管理施設1万1215カ所、うち点検対象施設1万0718カ所、点検実施1万662カ所)▽大型カルバートや横断歩道橋といった道路付属物などが99・7%(管理施設4万1149カ所、うち点検対象施3万9873カ所、点検実施3万9750カ所)。
このうち市町村が最優先で点検するべきとされている緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋や跨線橋の点検率は‥紙面に続く。

◆次回点検までに修繕が求められるⅣ・Ⅲ判定/Ⅳは0・1%の682橋、Ⅲは10%の68369橋/判定Ⅳ地公体に多く、最大ボリュームは市町村管理判定Ⅱ区分

橋梁に関しては、判定区分が「緊急に措置を講ずべき状態(判定区分Ⅳ)」が橋梁が0・1%(682橋)、道路付属物などが0・1%(27施設、うち歩道橋が8橋)。「早期に措置を講ずべき状態(同Ⅲ)」の橋梁は10%(68369橋)。国交省は判定区分ⅢとⅣの橋梁について、次回点検までに修繕するよう求めている。「構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態(同Ⅱ)」の橋梁は49%(350506橋)。「構造物の機能に支障が生じていない状態(同Ⅰ)」の橋梁は41%(296909橋)。
管理者別では全管理橋梁のうち5%を占める国交省が、点検数36910橋のうち、Ⅳ判定が0・01%で4橋、Ⅲ判定9%3423橋、Ⅱ判定31%11483橋、Ⅰ判定60%22000橋。全管理橋梁のうち3%を占める高速道路会社が、点検数23258橋のうち、Ⅳ判定が0橋、Ⅲ判定が11%2647橋、Ⅱ判定が82%18979橋、Ⅰ判定が7%1632橋。全管理橋梁のうち26%を占める都道府県・政令市管理が、点検数185180橋のうち、Ⅳ判定が0・02%の31橋、Ⅲ判定が11%20555橋、Ⅱ判定が50%92862橋、Ⅰ判定が39%71732橋。全管理橋梁のうち66%を占める市町村が、点検数471118橋のうち、Ⅳ判定が0・1%で647橋、Ⅲ判定が9%41744橋、Ⅱ判定が48%227182橋、Ⅰ判定が43%201545橋。
国交省管理の橋梁だけがⅠ判定が最多だが、高速道路管理、自治体管理はⅡ判定が最多となっている。数量ボリュームの多い区分は、市町村管理の判定Ⅱ区分で32%‥紙面に続く

◆緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋、跨線橋、緊急輸送道路を構成する橋梁 通常橋梁より劣化進行/Ⅳ、Ⅲ、Ⅱ判定いずれも 全橋梁より高率/国交省管理はⅠ判定多く、高速・地公体はⅡ多く

このうち緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋は判定区分Ⅳが0%(0橋)、Ⅲが13%(1898橋)、Ⅱが66%(9268橋)、Ⅰが21%(3148橋)。跨線橋はⅣが0・1%(5橋)、Ⅲが23%(2062橋)、Ⅱが59%(5386橋)、Ⅰが19%(1708橋)。緊急輸送道路を構成する橋梁はⅣが0・007%(8橋)、Ⅲが11%(13600橋)、Ⅱが54%(65352橋)、Ⅰが35%(42299橋)。緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋や跨線橋、緊急輸送道路を構成する橋梁などの緊急性の高い橋梁の方が、橋梁全数の判定結果よりも、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ判定の割合が上回っており、他の橋梁に比べ劣化が進んでいることが分る。特に跨線橋や跨道橋が顕著で、背景には、点検や修繕に伴う規制や作業条件などの制約から、対策に手間取ってしまうことなどの影響がありそうだ。
管理者別では緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋は、14%を占める国交省が、点検数2075橋のうち、判定区分Ⅳが0橋、Ⅲが10%で212橋、Ⅱが45%925橋、Ⅰが45%934橋。34%を占める高速道路会社が、点検数5034橋のうち、Ⅳが0橋、Ⅲが14%722橋、Ⅱが80%4033橋、Ⅰが6%279橋。51%を占める地方公共団体が、点検数7569橋のうち、Ⅳが0橋、Ⅲが13%964橋、Ⅱが62%4670橋、Ⅰが26%1935橋。跨線橋は18%を占める国交省が点検数1669橋のうち、Ⅳ判定が1橋で0・1%、Ⅲ判定が22%371橋、Ⅱ判定が48%803橋、Ⅰ判定が29%492橋。11%を占める高速道路管理が、点検数1044橋のうち、Ⅳ判定が0橋、Ⅲ判定が20%209橋、Ⅱ判定が77%803橋、Ⅰ判定が3%32橋。70%を占める地方公共団体が、点検数6450橋のうち、Ⅳが0・06%で4橋、Ⅲが23%1482橋、Ⅱが59%3780橋、Ⅰが18%1184橋。緊急輸送道路を構成する橋梁は26%を占める国交省が、点検数30961橋のうち、Ⅳ判定が0・01%で3橋、Ⅲ判定が9%2938橋、Ⅱ判定が32%9952橋、Ⅰ判定が58%18058橋。19%を占める高速道路会社が、点検数23060橋のうち、Ⅳ判定が0橋、Ⅲ判定11%2638橋、Ⅱ判定が82%18813橋、Ⅰ判定が7%1609橋。56%を占める地方公共団体が、点検数67248橋のうち、Ⅳ判定が0・007%で5橋、Ⅲ判定が12%8024橋、Ⅱ判定が54%36587橋、Ⅰ判定が34%22632橋。
いずれも、ⅣとⅢの比率は対象橋梁全数と各管理者別での傾向に大な違いは見られないが、残りを構成するⅠ判定とⅡ判定で、国交省がⅠ判定の割合が高く、ほかの3管理者ではⅡ判定の割合が高い結果‥紙面に続く

◆橋齢‎増すごとにⅠが減少、Ⅲは増加/Ⅱは一定数で推移/国交省と高速道路会社で対照的

橋齢と判定区分の関係を見ると、判定区分Ⅰの割合が40%を切るのが全橋梁合計では橋齢31年以上だが、国交省管理では51年以上たっても40%を下回らず、一方、高速道路管理では10年に満たない段階から30%を切っている。都道府県・政令市管理では31年以上になると、市町村では41年以上になると40%を下回る。判定区分Ⅱはいずれの橋齢にもほぼ一定の割合を占めており、Ⅰが減った分、Ⅲが増えている傾向‥紙面に続く

◆橋梁全数72万橋(161百万㎡)74%が15m未満/地方公共団体管理が9割超・66万橋、面積ベースで約5割/緊急輸送関連橋 8割が15m以上、5割超が地公体管理/緊急輸送道路上の橋 高速管理の99%、国交省84%

全国の約72万橋(約161百万㎡)の管理区分は、橋数ベースでは市町村が圧倒的に多く66%(474000橋)、都道府県が19%(138000橋)、政令市が6%(47000橋)。この3管理者で構成する地方公共団体管理区分が91%(66万橋)を占める。次いで国交省管理が5%(38000橋)、高速道路会社が3%(24000橋)、道路公社が0・3%(2000橋)。
一方面積ベースでは約161百万㎡(約72万橋)の管理区分は、最大の高速道路会社31%(50405千㎡)と、国交省15%(23418千㎡)、道路公社3%(4542千㎡)で約5割を占め、地方公共団体管理が残る5割を占める。
橋長別では橋数ベースで、2m以上15m未満の橋は全体の74%を占め、15m以上50m未満が18%、50m以上100m未満が4%、100m以上が4%。管理者別にみると、50m以上の橋は国交省と高速道路会社に多く、国交省は管理橋梁のうちの25%、高速道路会社は48%。一方15m未満の橋は国交省は50%、高速道路会社は24%。他方、市町村は管理橋梁の81%が2m以上15m未満で、15m以上50m未満が15%、都道府県政令市も2m以上15m未満が66%を占め、15m以上50m未満が22%。
全国72万橋(161百万㎡)のうち地方公共団体が管理する橋梁は、橋数ベースでは66万橋と9割以上を占めるが、面積ベースでは約5割に低下。また72万橋の74%を占める2m以上15m未満の橋梁はそのほとんどが地公体の管理で、管理区域内に多くの小規模橋梁が点在していることが伺える。
橋齢でみると、建設後50年を経過した橋は現在27%を占め、10年後の29年には52%に達する。このうち15m未満では現在32%を占め、29年には59%に、15m以上では現在18%を占め、29年には42%となる。
緊急輸送道路および跨線橋については、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋14688橋のうち、国交省管理が14%で2075橋、高速道路会社管理が34%5034橋、都道府県・政令市管理が22%3248橋、市町村管理が29%4331橋。跨線橋9195橋のうち、国交省管理が18%1669橋、高速道路会社管理が11%1044橋、都道府県・政令市管理が37%3417橋、市町村管理が33%3065橋。緊急輸送道路を構成する橋梁121344橋のうち、国交省管理が26%30961橋、高速道路会社管理が19%23060橋、都道府県・政令市管理が53%64023橋、市町村管理が3%3300橋。いずれも地方公共団体管理が5割以上、跨線橋では7割超となる。一方で、高速道路会社管理橋梁の99%、国交省管理橋梁の84%が緊急輸送道路を構成する橋梁が占め、都道府県・政令市管理では34%、市町村管理では0・7%にとどまっている。
緊急輸送道路関係の橋梁は橋長では80%以上が15m以上となっている。都道府県・政令市管理では管理橋梁の34%64750橋が橋長15m以上の橋梁で‥紙面に続く

◆Ⅲ、Ⅳ区分の修繕 地公体で遅れ/Ⅳは修繕・架替が約5割・365橋
次いで撤去・廃止が3割・238橋/緊急輸送道路関連 地公体では優先的に修繕

国交省は判定区分ⅢとⅣの橋梁について、次回点検までに修繕するよう求めている。Ⅲ・Ⅳ判定の橋梁69051橋のうち、修繕に着手した割合を管理者別でみると、国交省53%(対象3427橋のうち1811橋)、高速道路会社32%(対象2647橋のうち846橋)、都道府県・政令市24%(対象20586橋のうち4889橋)、市区町村18%(対象42391橋のうち7811橋)。国交省が示す、2018年度末時点で次回点検までの修繕実施を考慮した場合に想定される修繕のペースは、14年に点検を実施した橋梁(4年経過)が80%、15年点検実施橋梁(3年経過)が60%、16年点検実施橋梁(2年経過)が40%、17年点検実施橋梁(1年経過)が20%、18年点検実施橋梁(0年経過)が0%。国交省はこのペースを上回るペースで、高速道路会社はほぼこのペースで修繕を進めている一方、地方公共団体管理の橋梁では修繕に遅れが目立つ状況だ。
このうちⅣの橋梁は740橋あり、国交省管理が4橋、都道府県・政令市管理が33橋、市町村管理が703橋。このうち、すでに撤去・廃止済みが8%で58橋(都道府県・政令市管理が2橋、市町村管理が56橋)。残る682橋のうち、修繕・架け替えが最も多く49%で365橋(国交省4橋、都道府県・政令市22橋、市町村339橋)、次いで撤去・廃止が24%180橋(都道府県・政令市7橋、市町村173橋)、対応未定が18%131橋(都道府県・政令市2橋、市町村129橋)。
判定区分Ⅱの橋梁への予防保全については、国交省が26%2974橋で着手しているものの、高速・地方公共団体とも着手率は2%にとどまる。
緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋ではⅢ、Ⅳの橋梁1898橋のうち、修繕に着手している橋梁は国交省が46%(対象212橋のうち97橋)、高速道路が35%(対象722橋のうち250橋)、都道府県・政令市が30%(対象393橋のうち116橋)、市町村が30%(対象571橋のうち170橋)。跨線橋ではⅢ、Ⅳの橋梁2067橋のうち、修繕に着手している橋梁は国交省が52%(対象372橋のうち195橋)、高速道路会社が31%(対象209橋のうち65橋)、都道府県・政令市が23%(対象757橋のうち177橋)、市町村が24%(対象729橋のうち173橋)。緊急道路を構成する橋梁ではⅢ、Ⅳの橋梁13608橋のうち、修繕に着手している橋梁は国交省が53%(対象2941橋のうち1565橋)、高速道路会社が32%(対象2638橋のうち845橋)、都道府県・政令市が28%(対象7715橋のうち2122橋)、市町村が30%(対象314橋のうち94橋)。
いずれにしてもⅢ、Ⅳ橋梁に対する地方公共団体の修繕は遅れているものの、管理橋梁全体における修繕着手率よりも、緊急輸送路関連橋梁の修繕着手率が平均でも7ポイント以上高いことから、緊急輸送道路関連の橋梁の修繕を優先している様子が‥紙面に続く

◆点検・診断の地域一括発注 16年度には605団体が活用/直轄診断12橋で実施、10橋で修繕代行や補助事業に着手

市区町村の人手不足・技術力不足を補うため、市区町村の点検・診断の発注事務を都道府県が一括して実施する地域一括発注も、1巡目点検である程度の広がりがあった。1721市区町村のうち、初年度の2014年度は7%の116団体が活用、15年度には26%453団体、16年度は35%605団体、17年度は23%403団体、18年度は23%436団体の活用があった。
地方公共団体への支援策の一つとして、緊急かつ高度な技術力を要する可能性が高い橋梁について、地方公共団体に代わって国が点検・診断を実施する直轄診断は12橋梁で‥紙面に続く

◆地公体で個別施設計画策定は81%1444団体/修繕の情報明記は1030団体

道路管理者は、橋梁などの定期点検の結果に基づく個別施設計画を策定することになっている。個別施設計画とは維持管理・更新などにかかるトータルコストの縮減・平準化を図る上で、点検・診断などの結果を踏まえた個別橋梁ごとの具体的な対応方針を定めた計画。国は2016年度に策定済みで、地方公共団体は20年度までの策定を予定している。18年度末時点における策定率は81%で、管理者別では都道府県・政令市などが89%、市区町村が80%。橋梁(橋長2m以上)の長寿命化修繕計画(個別施設計画)を策定した地方公共団体は81%1444団体で、公表までしている団体は68%1211団体。公表している計画のうち、修繕の時期や内容を橋梁ごとに示した計画となっている団体は85%1030団体で、このうち修繕費用を示した計画となっている団体は44%528団体。また公表している計画のうち、点検結果を反映するなど計画の更新をしたことのある団体は71%861団体‥紙面に続く

◆地公体 点検費のほとんどを社会資本整備総合交付金で/修繕費も多くを交付金と補助金で

地方公共団体が実施する橋梁の点検・修繕の財源については、2018年度に地公体が実施した橋梁点検のうち財源の報告があった88064橋(都道府県・政令市28047橋、市区町村60017橋)の点検費用として、都道府県・政令市の95%の橋梁が、市区町村の99%の橋梁がそれぞれ社会資本整備総合交付金を活用。地方単独費のみで実施したのは都道府県・政令市では4・6%の橋梁、市区町村では1・5%の橋梁に留まった。
橋梁の修繕については、18年度に地公体が実施し‥紙面に続く

◆国交省による研修・民間資格ともにない点検者による点検が高率

18年度に地方公共団体が実施した橋梁点検のうち、点検者の報告があった107018橋のうち、13%13730橋が直営点検で、87%93288橋が委託点検で実施。
直営点検で実施された13730橋のうち、38%の5282橋が国交省が実施する研修の受講者が点検、国交省の研修を受けない民間資格保有者による点検が8%7370橋、研修・資格ともにない点検者による点検が54%7370橋だった。委託点検の93288橋では、国交省による研修の受講者または民間資格の保有者による点検が58%の54560橋、研修・資格ともにない点検者による点検が42%38728橋‥紙面に続く

◆橋梁数最多は岡山県域、最少は沖縄県域/Ⅲ判定橋梁 最多は北海道域、新潟県域、長野県域/管理橋に占めるⅢ割合 鳥取県域、新潟県域、北海道域、大分県域高く/Ⅳ判定橋梁 最多は高知県域、北海道域、茨城県域/割合は高率は 高知県域、沖縄県域、茨城県域

県域別でみると、管理橋梁が多いのは岡山県域の32846橋(全国の橋梁数の4・5%)、北海道域の30877橋。Ⅲ、Ⅳ判定の橋梁は絶対数ではⅢは北海道域(4959橋)、新潟県域(4555橋)、長野県域(3080橋)に多く、Ⅳは高知県域(65橋)、北海道域(57橋)、茨城県域(49橋)に多い。管理橋梁に占めるⅢ、Ⅳ判定橋梁の割合ではⅢは鳥取県域(21%)、新潟県域(20%)、北海道域(16%)、大分県域(16%)が高く、Ⅳは高知県域(0・48%)、沖縄県域(0・35%)、茨城県域(0・33%)が高率だった。
一方、逆に管理橋梁が少ないのは沖縄県域の2602橋、東京都域の5872橋。Ⅲ、Ⅳ判定の橋梁が絶対数で少ないのはⅢが沖縄県域(278橋)、山梨県域(484橋)、宮崎県域(537橋)、Ⅳが0橋の宮崎県域と広島県域、2橋の福井県域と宮城県域だった。管理橋梁に占めるⅢ、Ⅳ判定の橋梁が少ないのはⅢが栃木県域(5%)、福岡県域(6%)、宮崎県域(6%)、滋賀県域(6%)、山梨県域(6%)、佐賀県域(6%)、熊本県域(6%)、長崎県域(6%)、三重県域(6%)、愛知県域(6%)、埼玉県域(6%)、岐阜県域(6%)。Ⅳが0橋の宮崎県域と広島県域、福岡県域(0・01%)、岡山県域(0・02%)、宮城県域(0・02%)、福井県域(0・02%)、佐賀県域(0・02%)、京都府域(0・02%)だった。
管理者別でみると、国交省管理でⅢ判定橋梁数が多い県域は北海道域(639橋)、三重県域(184橋)、愛知県域(171橋)、Ⅳ判定は山形県域、山口県域、滋賀県域、鹿児島県域で各1橋。管理橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合は山梨県域(22%)、東京都域(22%)、群馬県域(16%)が高かった。高速道路会社管理ではⅢ判定橋梁数が多い県域は大阪府域(165橋)、兵庫県域(161橋)、広島県域(160橋)。管理橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合は鳥取県域(35%)、岩手県域(22%)、福井県域(22%)、富山県域(21%)、広島県域(21%)で高かった。地方自治体管理でⅢ判定橋梁が多い地域は新潟県域(4384橋)、北海道域(4170橋)、長野県域(2866橋)。管理橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合は、鳥取県域(22%)、新潟県域(22%)、大分県域(17%)が高かった。Ⅳ判定橋梁数が多い県域は高知県域(65橋)、北海道域(57橋)、茨城県域(49橋)。管理橋梁に占めるⅣ判定橋梁の割合は高知県域(0・52%)、沖縄県域(0・43%)、茨城県域(0・35%)。
このうち、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋は全管理者合計でⅢ判定橋梁が絶対数で多いのは北海道域(156橋)、大阪府域(153橋)、兵庫県域(148橋)、対象管理橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは富山県域(25%)、大阪府域(23%)、北海道域(22%)。国土交通省管理では絶対数で多いのが広島県域(27橋)、北海道域(24橋)、東京都域(17橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは東京都域(23%)、岐阜県域(21%)、山梨県域(20%)。高速道路会社管理では絶対数が多いのが大阪府域(137橋)、兵庫県域(91橋)、北海道域(54橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは鳥取県域(40%)、富山県域(34%)、大阪府域(32%)。地方自治体管理でⅢ判定橋梁が絶対数で多いのは福岡県域(121橋)、北海道域(78橋)、兵庫県域(49橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは新潟県域(46%)、鳥取県域(30%)、北海道域(25%)。緊急輸送道路を跨ぐ跨線橋は全管理者合計でⅢ判定橋梁が絶対数で多いのは、北海道域(167橋)、新潟県域(112橋)、長野県域(111橋)、体協橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは新潟県域(40%)、富山県域(39%)、長野県域(39%)。国土交通省管理では絶対数が多いのは北海道域(59橋)、岐阜県域(22橋)、秋田県域(20橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのが兵庫県域(41%)、長野県域(37%)、大阪府域(36%)。高速道路会社管理では絶対数が多いのは大阪府域(21橋)、愛知県域(13橋)、兵庫県域(13橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは石川県域(100%)、鳥取県域(100%)、佐賀県域(58%)。地方自治体管理でⅢ判定橋梁が絶対数で多いのが北海道域(102橋)、長野県域(92橋)、新潟県域(90橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは新潟県域(47%)、富山県域(42%)、長野県域(41%)。緊急輸送道路を構成する橋梁は全管理者合計でⅢ判定が絶対数で多いのが、北海道域(986橋)、新潟県域(818橋)、長野県域(685橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは長野県域(23%)、新潟県域(19%)、鳥取県域(18%)。国交省管理でⅢ判定橋梁が絶対数で多いのは北海道域(610橋)、三重県域(154橋)、愛知県域(147橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは東京都域(22%)、山梨県域(20%)、群馬県域(17%)、北海道域(17%)。高速道路会社管理では絶対数が多いのは大阪府域(165橋)、兵庫県域(161橋)、広島県域(155橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは鳥取県域(35%)、広島県域(22%)、岩手県域(22%)、福井県域(22%)。地方自治体管理でⅢ判定橋梁が絶対数で多いのは新潟県域(658橋)、長野県域(483橋)、福島県域(307橋)、対象橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合が高いのは新潟県域(35%)、長野県域(30%)、鳥取県域(28%)。
管理地域の地勢的条件は同様でも、各管理者により路線の建設年次の違いや、管理橋梁の使われ方の違いで、劣化の傾向は一様とは言えない。ただ、Ⅲ、Ⅳ判定の橋梁の絶対数と、管理橋梁に占める割合からつかめる傾向もある。国交省管理と高速道路会社管理は、ほとんどすべての橋梁が緊急輸送道路を構成している橋梁であることから、全国全ての橋梁区分と緊急輸送道路を構成する橋梁区分が類似の傾向となっている。国交省はⅢ判定橋梁の絶対数では北海道域、三重県域、愛知県域が多く、管理橋梁に占める割合では東京都域、山梨県域、群馬県域が高い。高速道路会社はⅢ判定橋梁の絶対数は大阪府域、兵庫県域、広島県域で多く、管理橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合は鳥取県域、岩手県域が高い。地方自治体管理では北海道域、新潟県域、長野県域が絶対数で多く、管理橋梁に占めるⅢ判定橋梁の割合では鳥取県域、新潟県域、富山県域、長野県域が高い‥紙面に続く

◆今後対策するⅣ判定橋梁 高知県域が最多51橋

Ⅳ判定のうち国交省管理は4橋で、東北(山形県域)、近畿(滋賀県域)、中国(山口県域)、九州(鹿児島県域)の各地整管内で各1橋。このうち2橋が修繕済、1橋が架け替え済で、九州地整の1橋が修繕中。このほかⅣ判定の歩道橋は2橋で、関東、北陸の各地整管内で各1橋。1橋は撤去済みで、関東地整管内の1橋は恒久対策は未定。
Ⅳ判定のうち、都道府県・政令市管理の33橋と市町村管理の704橋を合わせた地方公共団体管理は737橋。Ⅳ判定橋梁がないのは広島と宮崎両県域のみ。緊急措置後の恒久的な措置を架け替えとしている橋梁は98橋(13・2%)で、うち架け替え済みが20橋、架け替え中が1橋。これと別にかに架け替え予定が75橋(10・1%)。機能変更済みは4橋で、機能変更中が1橋、機能変更予定が1橋。修繕済みは113橋(15・3%)で、修繕中が28橋(3・7%)、修繕予定が68橋(9・2%)。撤去は19橋(2・5%)で、撤去済みが29橋、撤去予定が122橋(16・5%)。廃止済みは17橋、廃止中が1橋、廃止予定が31橋。未定は131橋(17・7%)。この他にⅣ判定の歩道橋は6橋あり、千葉県域が1橋、東京県域が2橋、埼玉県域が1橋、長野県域が1橋、和歌山県域が1橋。修繕済と撤去済みが各2橋、東京県域の1橋は修繕中で、1橋が恒久対策は未定。
対策済みと未定を除く423橋(57・3%)で今後事業が見込まれる。
地方自治体のこの今後手当てするⅣ判定423橋の地域区分は高知県域が最多で51橋(423橋のうちの12%)、北海道域が37橋(8・7%)、茨城県域が33橋(7・8%)、長野県域が25橋(5・9%)、熊本県域が20橋(4・7%)で、20橋以上のこの5圏域で約4割を占める。今後架け替え(予定含む)の橋梁153橋は34県域にあり、高知県域が最多で19橋(12・4%)、熊本県域と茨城県域がそれぞれ11橋(7・1%)、北海道域が10橋(6・5%)で、10橋以上の4県域で33%を占める。修繕中または修繕予定の96橋は28県域にあり、高知県域が最多で17橋(17・7%)、奈良県域と熊本県域がそれぞれ9橋(9・3%)で上位3県域で36%を占める。撤去または撤去予定の141橋は31県域にあり、北海道域が最多で17橋(12%)、長野県域と茨城県域がそれぞれ15橋(10・6%)、高知県域が12橋(8・5%)、静岡県域が10橋(8・2%)で、10橋以上の5県域で約5割を占める。廃止中または廃止予定の31橋は13県域にあり、徳島県域と北海道域と山梨県域が最多でそれぞれ4橋(12・9%)で、この上位3県域で38・7%を占める。
また、未定の131橋は29県域にあり、北海道域と岐阜県域が最多でそれぞれ11橋(8・3%)、次ぐ愛媛県域、茨城県域、長野県域がそれぞれ10橋(7・6%)‥紙面に続く

インフラ長寿命化計画の体系
管理者別判定区分(2014-18年度累計)
Ⅳ判定橋梁リスト
直轄診断の橋
次回点検までに修繕が求められるⅢ,Ⅳ判定橋梁の修繕進捗状況(2014-18年度)