CFRPの部材で橋梁 軽量、高耐久、長寿命に 次世代橋梁部材事業化研究会が見学会  まずは15m未満の桁橋へ

次世代橋梁部材事業化研究会の試作のCFRPトラス歩道橋 10人程度で運ぶことができる
次世代橋梁部材事業化研究会の試作のCFRPトラス歩道橋 10人程度で運ぶことができる
次世代橋梁部材事業化研究会のCFRPトラス歩道橋

 

 

 

 

 

 

 

国内橋梁のうち、ボリュームゾーンといわれる地方の橋長15m未満の桁橋を、地元業者にも施工と点検・維持管理ができる簡便な方法で、長寿命化させることをねらった研究の見学会が9日に福井県の工業技術センターであった。
土木建築分野への炭素繊維複合材料(CFRP)の用途拡大を目指して県や、県内外企業、大学でつくる「次世代橋梁部材事業化研究会」(会長は名古屋大学の舘石和雄教授)が開いたもので、この日は次世代の橋の小型試作品としてトラス構造のミニ歩道橋をお披露目した。研究会は2017年にもCFRP試作補強部材で道路橋への国内初の実証実験をし、現在も継続している。CFRPは、軽い、錆びない、工業製品なので品質が一定、などの長所を持つ。
いずれも、高度な先端技術により得られる効果をそのままに、施工方法や維持管理の手法を簡便な仕組みにブレークダウンすることで、技術者や人手不足が進む地方でも使いやすい工法にまとめる研究開発の一環。研究会は17、18年度で国土交通省建設技術開発助成に選定され、「低ライフサイクルコストを実現するインフラ向けCFRP引き抜き部材の設計・成形・施工法の開発および光ファイバを用いたモニタリング技術の開発」を進めている。今回のミニトラス橋づくりも、前回の試作補強部材も、引き抜き部材の設計や、成形、施工に関する課題の抽出と検証が目的。
今回発表したミニトラス歩道橋は支間長約4m、幅員約1m、高さ約1m。形鋼に代えて部材は引き抜き製法のCFRPで作り、締結部は鋼製ボルト、床版はガラス繊維強化プラスチックで構成。このサイズで鋼製だと1トン近くになるが、CFRPは軽いため試作橋は300㎏と軽量で、大人10人で持ち上げられる。
17年から継続している道路橋の清間橋(橋長97・7mの単純合成鋼鈑桁橋)の実証実験では、端対傾構と横構の一部をCFRPにするなどして、手順や応力変化、ひずみなどを確認することで、効果や耐久性の検証を進めている。
IoTなどの時代になってくると、性能の限界はアルゴリズムでなくリアルなもの自体の性能が決定的な要因になる。そういう意味でCFRPは長耐久なので、光ファイバセンサをCFRP部材と一体化させることで、補強部材の劣化モニタリングだけでなく、周囲の腐食の進行や、衝撃での変形なども、補強部材にこれまでと違う力がかかるので捉えることが‥紙面に続く